庭先や道端に生い茂る雑草。
その奥には、私たちが普段気づかないもうひとつの世界が広がっていました。
しゃがみ込んで草の間を覗いてみると、そこには小さな命の営みと、静かな異次元の風景が。
今日は、そんな草むらの中で出会った一匹のイトトンボをご紹介します。
厄介者と思われがちな雑草も、目線を変えれば不思議と美しい舞台に。
虫たちの訪れが、季節の深まりをそっと教えてくれました。
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細く透き通る羽をたたみ、葉の縁にそっと止まるイトトンボ。
草むらの静寂に溶け込むその姿は、まるで風の精のよう。
誰にも気づかれず、そっと季節のページをめくっていました。
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細長い体と閉じた羽が特徴のイトトンボ。
金属光沢のある緑と黄の体色が、葉の緑に美しく溶け込みます。
雑草の間に潜む命のひとつとして、今日も静かに草の世界を旅しています。
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緑の草に囲まれて、紅葉した桜の葉がひときわ目を引きました。
自然の色彩が語る、静かな物語がありました。
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「おいおい、ちょっと食べすぎだよ」と葉っぱが言ったかどうかは知らないが、
虫たちの食欲は止まらないようです。
虫に食われて、まるで繊細なレースのようになっていた。
哀れにも見えるが、それは虫が生きるための証でもある。
草も木も虫たちも、みなそれぞれの方法で生をつないでいる。
そんな営みの中に、季節の深まりを感じる。
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なんとも皮肉な美しさです。
超が付くほどの厄介者の蔓草が、こんな繊細で愛らしい花を咲かせるとは…
自然の二面性に驚かされます。
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超厄介者の蔓草、完全駆除は難しい。
しかし、こんなかわいい花が付いていました。
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放射状に広がる毛が光を反射し、近づいてみるとまるで芸術作品のような造形美が現れました。
この植物、もしかするとセンダングサの仲間かもしれません。
種子の先端にある鉤状の毛が、動物の毛や衣服にくっついて運ばれる仕組みになっているんです。
う考えると、この美しさにもちゃんとした“戦略”があるのですね。
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宇宙の中心を覗き込んでいるような迫力があります。
放射状に広がる繊細な毛が光を受けて輝きまるで星雲のよう。
普段は見過ごしてしまうような存在が、こうしてレンズを通すことで異なる表情を見せてくれるのは、自然の奥深さとじっくりと観察した賜物です。