10月6日の夜は、中秋の名月でした。
すっかり忘れていたのですが、ふと二階にある自室の窓から空を見上げると、雲間に浮かぶ美しい月が目に飛び込んできました。
薄くたなびく雲が、かえって月の輝きを引き立てているようで、しばし自然の演出に見惚れてしまいました。
慌ててカメラを手に取り、レンズを月に向けたそのとき――
東京へ向かう旅客機が、夜空を横切っていきました。
月と飛行機が交差する偶然の美が重なり、気が付けば何枚もシャッターボタンを押していました。
H1005714-s3
満月が夜空を照らす10月の宵。
左に輝く月の隣を、斜めに走る光の軌跡が横切る。
偶然、飛行機雲を残しながら旅客機が夜空を横切って行きました。
それはまるで流星の様に静寂の中に動きを感じるものでした。
撮影時刻は午後6時半過ぎ、風は穏やか。
H1005713s
東に向かって飛ぶ旅客機はきっと東京行き。
静けさの中、ひとすじの光が空を裂いて飛び続ける夜間飛行…
旅客機の窓から月を眺めている人の顔が目に浮かびます。
そこには誰かの旅路があることを知りました。
H1005715-a
夜空に浮かぶ満月と、空を横切る飛行機雲、そして地上の光が交差する瞬間でした。
湖畔に建つ建物の鼓動が、静寂の中で聞こえて来るようです。
H1005715 -s2
飛行機が過ぎ去ったあとはこのような静寂を感じてしまいました。
H1005711
やがて月は孤独になり輝きを増していきます。