いつも通る散歩道のそばに、アガパンサスが美しく咲いていました。

このときは、近くの医院に向かう途中で見かけたのですが、あいにくカメラを持っておらず、診察を終えたあともう一度その場所へ足を運び、撮影してきました。

小雨の降り続くなか、傘を差しながらの撮影となりましたが、静かに咲く花の姿と雨粒の調べが、心に深く染み入りました。

【第一部】
少し離れた位置から捉えた風景。散歩道に咲くアガパンサスの、静かな存在感を幻想的に描いています。
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夏の朝、柔らかな風に揺れるアガパンサスの群れを見つめながら、
時の流れに身を委ねるようなひとときを味わいました。
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その青紫の花房は、まるで空に舞い上がろうとする祈りのようで、
弱々しい明かりに包まれながら静かに輝いていました。
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儚さのなかに秘めた力強さ。
この季節にだけ出会える風景の詩です。
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静かに揺れながら、空へと祈りを捧げるように咲くアガパンサス。
その姿には、季節の移ろいや心の静謐さが宿っているようにも見えます。

【第二部】
花に寄り添うように近づいて撮影。
雨に濡れた花びらの質感と色彩が、繊細に浮かび上がりました。
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花びらには透明な水滴がちりばめられ、自然が描いた小さな宝石です。
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ひとしずくの輝きと水に濡れた蒼い花
 水滴がきらめき花の存在感を高めてくれました。 
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風にそよぐ花の彩、雨の名残をまとっています
 花が雨を受け止めたまま、柔らかな風に揺れているようです。
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花の中心には淡い緑の雄しべが顔をのぞかせており、花の生命力と静かな躍動感がにじみます。
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花びらには繊細な水滴が散りばめられていて、雨の名残のような儚さを感じました。 
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水滴を湛えた蒼い花が、緑に包まれた静寂の中でそっと咲く。
開花した花と、まだ眠る蕾が寄り添う姿は、自然の移ろいと命のリズムを物語ります。

【あとがき】
夏の空気に包まれながら、ひと房のアガパンサスが静かに揺れていました。
移ろう季節の中で、ほんの一瞬だけ姿を見せる季節の花は、言葉にはできない安らぎをもたらしてくれています。
雨や風と光が交差する場所で出遭った景色は、日々の暮らしのなかでふと立ち止まるきっかけとなり、心に残すことが出来ました。

次の季節もまた、こうしたひとときにめぐり逢えることを祈りつつ。