初夏の光とともに目覚める、小さな生命の風景。
ヒペリカムの蕾から花、そして実へと至る姿を静かに追いかけてみました。
鮮やかな陽射しの中で咲く喜び、雨の日に見せる静かな表情、
そして役目を終えて実を結ぶ頃の余韻・・・
それぞれの時間に宿る美しさを、11枚の写真に託して綴ります。

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ふくらみかけた蕾に、そっと命の準備が感じられました。

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数日後、黄金にきらめく美しい花が咲きました。

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満開のとき。
初夏の陽射しを浴びて、花びらはまばゆいほどに輝きます。

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暗い背景の中に、ひときわ凛とした美しさが浮かび上がりました。

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見上げた枝は、まるで祝福されて嬉しそうな表情をたたえているようでした。

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曇り空の日には、しっとりと落ち着いた表情に変わります。

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やがて花はその役目を終え、赤い実を結び始めています。

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風にゆれる姿は、自らを鼓舞するよう・・・その姿に、勇気をもらいました。


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短い花の時を経て、静かに赤い実へと姿を変えて行きます。


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よく似たゴボウズオトギリにも、黄色い実がつき始めていました。
光に包まれた世界から、静謐な午後へ。
色が褪せゆく中にも、命の物語は続いていきます。

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ヒペリカムのような華やかさこそありませんが、
ゴボウズオトギリには静けさの中にある端正な美しさが感じられました。
*

花は終わっても、その跡に残る実はまた次の季節を迎える準備をしています。
この花たちが教えてくれたのは、終わりではなく“つづき”の美しさでした。
小さな命の移ろいが、私たちの日々にもそっと寄り添ってくれる気がします。