我が家に美しい紫陽花があります。
他の紫陽花より少し遅れて開花する紫陽花で、白地に爽やかなブルーのグラデーションが何ともいえない美しさを醸し出しています。
庭では、種類の違う紫陽花を15株ほど植えていますが、今日はそんな我が家の紫陽花の中から3種類を選んでみました。ご覧下さい。
最後の段にこの情景を思い浮かべながら『紫陽花ものがたり』をつくって載せてあります。
お読みいただければ幸いです。
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近寄って撮影しました。
日当たりの良い場所で育てている紫陽花で、私の一番のお気に入りです。
透明感ある色合いが心を癒してくれます。

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こちらは咲き始めの花房の姿です。
ほんのり色づく様子が初々しく、この瞬間だけの美しさを感じさせてくれます。

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完全に開花した姿はこうなります。
優しい色合いが目を引き、どれだけ見ていても飽きることがありません。
自然が描いたアート作品のようですね。

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あまりに美しいため、挿し木で増やして鉢植えにしてみようと思います。
玄関先に置けば、訪れる方々の目を楽しませてくれそうです。

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   こちらもブルー系の紫陽花です。
花房はやや小ぶりで、時間が経つにつれて青が濃くなっていくタイプです。
先ほど紹介した紫陽花と多重露出で重ね撮りしました。
その重なりが幻想的な雰囲気を作り出してくれました。

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実際のサイズ感はこの通りですが、これもお気に入りの一つです。
その小さな姿に宿る美しさが魅力的です。

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ヤマモミジの木の下でひっそりと咲くピンク系の紫陽花。
右下には小花の薔薇が咲いています
控えめな色合いが場所の雰囲気とマッチしていて、良い雰囲気なので一枚記念に撮影しました。

『紫陽花の精霊』
これは誰言うとなくその地域に広がったお話です。

琵琶湖のほとりの森の中に、ひっそりとした紫陽花が咲く園がありました。
その園には、いくつもの紫陽花が咲き誇り、雨の日にはその輝きが増していき、そこには「雨の精霊」と呼ばれる存在が宿ると噂されていました。
この精霊は、雨の日に現れ、紫陽花に語りかけるのだとか。
その後、人々の想像を加えてこの噂は枝葉を伸ばしながら広がり続けました。
*
作り話だとは思いつつも何となく興味を覚えてしまいます。
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色々な話が飛び交っていた中のひとつにこんな噂話しがあり、私なりにちょっと脚色してみました。
 *
そのような噂を知ってか知らずか、ある梅雨の午後、老いた一人の男性がその園を訪れました。

静かに雨が降り続く中、彼は何となく一つの紫陽花に目を奪われてしまいます。
雨中に浮かび上がるように見えるその花は、他の紫陽花と異なり、まるで物語の中から飛び出したかのような美しさを持っていたからです。

彼が写真を撮ろうと構えたそのとき、

ふと園の奥から静かな声が聞こえて来たような気がしました。 


その声は
『この紫陽花には特別な秘密があるのですよ』
そう語りかけているようでした。

その秘密とはいったい何なのか・・・
この紫陽花は精霊の心を映し出す鏡のような存在であり、雨が降るたびに現れ紫陽花に自身の物語を刻んで、訪れる人々に伝えているようなのです。


男性はその美しい紫陽花を撮影し、その幻想的な光景をカメラに収めました。

帰宅後、男性は写真を見て驚きます。
紫陽花の背後に、雨の精霊の輪郭が淡く映り込んでいるように見えたのです。
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それは、彼が感じた園の静けさを象徴するかの様に見えていました。
*
この紫陽花の園の不思議はその後も多くの人に語り継がれていて、
今なお、まことしやかに生き続けています。
『物語:湖都四季』 
(画像はAIによる生成画像です)