春の訪れと共に白や淡いピンク、黄色などの花々が咲き誇り、自然の美しい移り変わりを楽しむことができます。そしてこの時期になると、紫色などの濃い色をした花々が主役となってきます。

季節によって花の色や形が少しずつ変化していることに気づくのは、本当に興味深いことです。
そんな自然の営みを感じながら、この日は紫系の花を集めてみました。今回ご紹介するのは、以下の3種類の美しい花々です。

  1. イワチドリ

  2. シラン

  3. ムラサキカタバミ

ぜひ、これらの花々をご覧ください。
それぞれの魅力が詰まった瞬間を楽しんでいただければ幸いです。

【イワチドリ】
H1003974
イワチドリは小さくて可憐なラン科の多年草で、日本固有の植物です。
草丈は10~20cmほどで、岩場や湿った斜面など厳しい環境に咲きます。

H1003975
「イワチドリ」の名前は、岩場に咲くことと、
葉の形が鳥の千鳥に似ていることから名付けられました。
「渓谷の妖精」とも呼ばれています。

H1003976
自然環境の変化や乱獲によって自生地が減少し、一部では保護活動が進んでいます。

H1003908
花の色はピンクや白が主で、花の唇弁が特徴的で繊細な模様を持っています。
*
【シラン(紫蘭)】
H1003909
シラン(紫蘭)はラン科シラン属の多年草で、鮮やかな紫色の花を咲かせます。
育てやすく、園芸にも人気です。花の形は星型で、30~70cmほどの花茎に何輪もの花が連なります

H1003912
名前はその鮮やかな紫色の花から「紫蘭」と付けられました。
英名「Hyacinth orchid(ヒヤシンスオーキッド)」も美しい逸話にちなんでいます

H1003914
古くから生薬「白及(びゃっきゅう)」としても使われ、止血などの効果があるとされています。
また、花言葉「あなたを忘れない」は切ないギリシャ神話が由来と言われています。
*
【ムラサキカタバミ】
H1003917
ムラサキカタバミは南アメリカ原産の多年草で、薄紫のピンク色の小さな花を咲かせます。
生命力が非常に強く、道端や庭で見かけることも多いです。
葉は三つ葉でハート形をしています。

H1003918
名前の「ムラサキ」は花びらの色から、「カタバミ」は夜に葉を閉じる様子が
片喰(葉が半分食べられたように見える)ことに由来します。

H1003921
実は観賞用として江戸時代に日本にやってきた植物ですが、
現在は雑草として扱われることが多く「要注意外来生物」に指定されています。
それでも、ピンクの小花が咲く様子には可憐な魅力があります。