庭を歩いていると、様々な花が咲く中で、どこか儚げな雰囲気を漂わせる花があります。
これらの花々、主役にはならないかもしれませんが、その「一隅を静かに照らす」ように咲く白い花々に目を向けると、そこには繊細な美しさが宿っていました。

今回は、そんな白い花の中から ハナニラ白ヤマブキドウダンツツジ、そして チゴユリ の四種類を選びました。

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大きな木の下の日陰に明かりを灯してくれている『ハナニラ』
純白の肌に薄青の飾りを付けた星のような美しい花です。

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ハナニラ は、春に星のような花を咲かせ、淡い白色が清らかさを感じさせます。
万年の日陰生活に文句も言うことなく、年に一度ほんの僅かな日数だけ自分の存在を示します。

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白ヤマブキもまた庭の脇役的存在です。
黄色のヤマブキばかりが目立ちますが、そんな中で脇役に徹しています。

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白ヤマブキ は、一輪ごとの姿がシンプルでありながら、どこか幻想的な雰囲気も併せ持っています。

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しかし、木漏れ日の光を貰ったときは、ほんの一瞬ですが美しく輝くときがあります。

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「ドウダンツツジ」鈴の様な形をした可愛い花で、スズランとも少し似ていますが、
やはり花としての存在感は少なめです。
この木は秋になると葉が真っ赤に紅葉してその真価を発揮します。

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ドウダンツツジ の花は、小さな花が可憐に揺れる姿には、密やかな美しさがあります。
しかし、やっぱりどこか儚さを感じさせる花です。

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チゴユリですが、花は開かず筒状のままです。
控えめでありながら繊細な趣があり、どこか静けさを感じさせる存在です。

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明るい日陰や半日陰を好み、強い直射日光は避けるのがポイントです。
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『武者人形の横に飾ってみました』
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五月人形の横に椿と共に飾ると、これがなかなかの良い画になりました。
見事に主役の椿を引き立てる役割を演じています。
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こうした白い花々は、庭の中で目立たなくとも、その場にあるだけで心を落ち着かせるような魅力を持っています。
まさに「一隅を照らす」存在なのかも知れません。